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相馬野馬追〜一千年以上続く、伝統の祭り〜

福島県相双地域で、毎年7月最終週の土日月の3日間に渡り行われる「相馬野馬追」。
約400騎の騎馬武者たちが甲冑を身にまとい、人馬一体となって馬場を駆け抜けるその姿はまさに戦国絵巻。国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統行事です。
今回は「相馬野馬追」の見所を写真や動画を交えてご紹介いたします。

1日目: 出陣・宵乗り

初日は相馬野馬追を執り行う3つの神社(相馬妙見三社)にて「出陣式」が行われます。
その後、各郷ごとに本祭りの主会場となる雲雀ヶ原祭場地へと出陣します。

各郷の騎馬武者たちが雲雀ヶ原祭場地に集結すると「宵乗り競馬」が開催され、陣羽織姿の武者たちが馬にまたがり疾走します。

日時7月最終土曜日
場所相馬中村神社
福島県相馬市中村北町140番地
相馬太田神社
福島県南相馬市原町区中太田舘腰143番地
相馬小高神社
福島県南相馬市小高区小高字古城13番地
雲雀ケ原祭場地
福島県南相馬市原町区牛来字出口地内

2日目:本祭り

約400騎の騎馬武者達が御本陣である約3キロメートル先の雲雀ケ原祭場地を目指し市中を進軍する「お行列」が行われた後、いよいよ正午から「甲冑競馬」が行われます。
歴史が息づく先祖伝来の旗指物をなびかせた騎馬武者たちが、勇壮にも土埃を巻き上げながら疾走していきます。鋭い目つきで前を見つめ、一心不乱に駆け抜けるその姿は、かつての戦場を彷彿とさせます。

甲冑競馬が終わると13時からは「神旗争奪戦」が行われます。
「神旗争奪戦」では、数百騎もの騎馬武者たちが集結し、空から舞い降りる二本のご神旗を奪い合います。神聖さを帯びたその旗は、空からゆっくりと舞い降り、数百騎もの武者たちが一斉に動き出す瞬間、その勢いはまるで合戦さながらで、観る者の息をも呑むほどです。

日時7月最終日曜日
場所野馬追通り
福島県南相馬市原町区
雲雀ケ原祭場地
福島県南相馬市原町区牛来字出口地内

3日目:野馬懸

祭りの最後を飾る「野馬懸」。
放たれた裸馬を神社の境内に設けた竹矢来に追い込み、御小人(おこびと)と呼ばれる白装束のもの達が、その裸馬を素手で捕え神前に奉納するという神事です。
この神事は、古来の伝統を色濃く留めている唯一無二のものとされ、国の重要無形民俗文化財の指定へとつながる重要な要因となりました。

2022年に行われた相馬野馬追の3日間の様子を3分間の動画にまとめたものです。

撮影・編集:Link Films

甲冑をまとった約400騎の騎馬武者が野原を駆け抜ける相馬野馬追は、一千年以上の歴史を持つ壮大な祭典です。日本の歴史と伝統を実感できる貴重な時間となるでしょう。写真や動画だけでは伝えきれない迫力を体感しにぜひ足を運んでみてください。